いつ:2023/7/16(日)〜2023/7/18(火)
どこで:北海道→東京→長野
誰が:①私(このブログを書いている人。20代女性。俳優の佐藤浩市が大好き)②母(①の母親。50代女性)③祖母(①の祖母、②の母親。80代女性)
何を:2泊3日の旅行をした
なぜ:2023/7/17(月・祝)に長野県の八ヶ岳高原音楽堂で行われたライブ「佐藤浩市 役者唄」を鑑賞するため
どのように:北海道→東京は飛行機で、東京→長野は特急あずさを中心に鉄道で
2023/7/16(日)北海道→東京
午後の便で新千歳空港から東京へ向かう。
空港の本屋にふらっと入ったら出る時にはなぜか文庫本を5冊買っていた。ばか。この記事を書いている時点でさえまだ「タタール人の砂漠」にしか着手できていない。でもこれはかなり面白い。国境の砦に配属された若い将校が、眼前に広がる果てしない砂漠の向こうから敵がやってくることを夢想しながら時間を使い潰していくという筋書き。
東京に住んでいる友人宅に泊めてもらう約束をしていたため、羽田空港で母といったん別れ、私はバスに乗って新宿へ。
新宿に着き、バスを降りる。暑い暑い暑い暑い暑い暑い死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ。なんだこの気温。ふざけるんじゃねえよ(頭脳警察)
エアコンの室外機の前に常時立たされているような気分。東京に着いてからここで初めて外気を浴び、あまりに理不尽な気温に激しい怒りを覚える。これはまずいと地下へ逃げる。
友人と新宿で待ち合わせるも、お互い東京にあまり慣れていないのでなかなか会うことができず、あたふたする。
どうにか友人と落ち合い、ひいひい言いながら友人宅へ。夕方なのに全く気温が下がる気配を見せない。徒手空拳では太刀打ちできないと判断し、駅前のコンビニで各々一つずつメロンフラッペを買って飲みながら向かう。これは楽しかった。友人と冷たくて甘い飲み物片手に蒸し暑い夕暮れの東京を歩く、かなり青春映画っぽい。かも。皆さんはどう思いますか?
友人宅に到着。夕食をとり、一緒にドラマを見、夜中に外に出てみて全然まだ暑いじゃん!と言うなど、好きなことを好きなようにやってたいへん楽しい夜を過ごす。
2023/7/17(月・祝)
朝。かなり早く起き、新宿へ。友人も一緒に起きてくれて、新宿まで見送りに来てくれる。ありがたい。
新宿駅から特急あずさに乗るのだが、その前にみどりの窓口へ行く。事前にネットで切符を買うとき、色々と間違った買い方をしてしまっていたので、それらを窓口でうまく修正してもらう。ここで友人とは別れる。色々とありがとう。
特急あずさに乗り込む。乗り込む時も、自分が買った座席のある車両からかなり離れた車両に乗り込んでしまい、車内をかなり長いこと歩く。たぶん5両ぶんくらい歩いた。なんか『ブレット・トレイン』にこんな場面があった気がする。
あずさ出発。新宿→立川→八王子→甲府を経て、小淵沢(こぶちざわ)という駅まで乗る。概ね2時間ほどかかる。母と祖母は八王子から乗ってきた。
八王子を過ぎると景色に緑が増えてくる。竹林もたくさんある。北海道には竹林がない(あるところにはあるのかもしれないが、少なくとも私の住んでいる札幌近辺で竹林を見たことはない)からいつ見ても珍しい景色だと思う。森の中にあんな太くてまっすぐで、それでいて樹木とは少し異なる雰囲気の植物が存在しているのは不思議だ。
本州ではありふれていて北海道ではほとんど見かけないものといえば、瓦屋根の家もそうだ。見るたびに、実在するんだあ、すげえ、時代劇みたーい。と思う。あと神社とかお寺の数もめちゃくちゃ多いなと感じる。
電車に乗っている時、レールの切り替えで車両が動くのに従って自分の体も一瞬予想しない方向にぐっと引っ張られる感覚、あれが割と好き。極小のジェットコースターに乗っている気分。
甲府駅に着く。とくに用事はないのだが、駅のすぐ近くにお城が立っていて驚く。なに城だろうか。甲府の次は竜王という駅らしい。字面が強過ぎてちょっと面白い。
小淵沢駅に到着。
あずさを降り、ワンマンカーで野辺山駅まで。すごい勢いで山を登っていく。山林の中、鉄路の分だけが切り開かれているので、ネコバスが走ると木々が避けていく時の景色みたいだなと思った。この辺りからおそらく別荘と思われる家をよく見かけるようになる。
途中で吐竜(どりゅう)の滝、という観光名所の案内を見かける。すごい名前だ。吐竜と書いてどりゅう。吐竜・バリモア。
野辺山駅に到着。鉄道の中で最も標高の高い駅だそうで。確かに電車に乗っている時耳がキーンとした。
お世話になる八ヶ岳高原ロッジから送迎バスが来ており、それに乗ってロッジに向かう。景色もたいへんのどかで良いのだが、すぐ近くの窓の内側にでっかい虫(たぶんアブ)が張り付いており、気が気ではない状態で15分ほどを過ごす。
ロッジに到着。でかーい。すごーい。おしゃれー。玄関ホールが広い。チェックイン後部屋に荷物を置き、食堂で昼食。
ガスパチョ。逆噴射総一郎先生のnoteでしか見たことがない料理、ガスパチョ。ところてんが入ってて美味しかった。
せっかくだしと開放感のあるテラス席で食べていたら、すぐ近くの木に綺麗な鳥がやってきた。あとで調べたところ、鷽(ウソ)というらしい。かなり写真の撮りやすい位置に陣取った上で、フィフィ、と口笛に似た綺麗な声で何度か鳴いて飛んでいった。ウェルカムサービスだったのかもしれない。
14時。ライブが行われる八ヶ岳高原音楽堂へ。ここでも音楽堂までバスが出る。至れり尽くせり。
5分もかからず音楽堂に到着。席順はその場で抽選。祖母に引いてもらったところ、なんと前から3列めの席を引いてくれた。ありがとう。
グッズもいくつか売っていた。クリアファイルなどは3月に東京で行われたライブであらかた買っていたのでスルーするが、その隣でCDが売られていた。CDはまだ持ってないけどどうしようかなあと思いつつ近寄ると、ポップに「CDを買うとライブ後に佐藤浩市さん直筆サイン入りポストカードがもらえます」とある。流石にそれは買わざるを得ない。売り子の方が「普段はあまりサインを書かないから貴重ですよ」というようなことを言ってくれる。本当はサイン会してほしいくらいですよ、と(その人が浩市さんに)言ったら「それは勘弁して」と言われた、という話もしてくれた。あと「浩市さん好きなの?」的なことも聞かれた。たぶん横に母親と祖母がいたので、そのどちらかに誘われて来たんじゃないかと思ったのかも。誘ったのは私です。100%私の趣味です。
ホールに入る。全体的に木でできてる感じ。円形。天井が高く、三角錐状になっている。席につく。結構近い。ドキドキ。
15時。はじまる。
最初にバックバンドのピアノ、サックス、ギターの方が入ってきて、最後に浩市さん。
衣装は全体的に黒っぽい。黒いハットに黒いシャツ、黒いベスト、黒いズボン。靴はどんな感じだったかちゃんと見れなかったな。とは言っても黒ずくめではなかった。ハットはなんか色んな色の細い紐みたいなのが巻き付けてあるやつで、ベストも背面に蔓草模様みたいな刺繍?が白く一面に広がっていた。ズボンにも同じく白でちょっとした線とか文字が書いてあった。3月のライブでは2公演あって、どちらも結構ふわっとした緩めの衣装を着ていて、ちょっと中性的な印象もあって好きだったのだけど、今回の衣装はそれと比較すると男性らしさが強調されているように思った。身体のラインが見える感じで、すごくかっこよかった。足めっちゃ細かった。
最初は「ONLY MY SONG」「DON'T YOU FEEL LONLELY?」の2曲。これは他のライブでも定番の曲。CDにも収録されている。声の張り方が映画とかドラマの中でセリフを言っている時とは当然異なるので、毎回そこの違いで、あーいいよなあ、と思う。
曲が終わって最初のMC。そもそもなぜ今回のライブが長野かといえば、浩市さんが2003年に「高原へいらっしゃい」というドラマに主演していて、その舞台が長野県・八ヶ岳の高原ホテルだったからで。当時も撮影のために長野まで通っていたけれど、車で2時間半から3時間はかかる、という話で、ちょっとお客さんに話を振るタイミングが発生した。東京より遠くから来てる人いますか?と聞いて手を挙げてもらったりして。それで次に、「この中で自分が一番遠くから来たと思う人いますか?」って振りが来て。あ、私北海道じゃん、とか思ってたら隣にいた祖母に「手ェ挙げな!」と促され、あ、やべ、でもこれ当たったら、え、やべ、と思うまもなく反射で、手を、挙げて、
浩市さん「どちらから?」
私「北海道です」
(会場が少しどよめく)
浩市さん「それはたまたまこっちに旅行に来て、僕のライブがあるって知ったから来てくれたの?」
私「いえ佐藤さんのために来ました」
わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
佐藤浩市と喋っちゃったよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
会話(会話?)はそこで終わったんですけど、もうそのあと10分くらいマジで足がガクガク震えてました。だって、こんなこと、こんなことってないでしょう、ねえ。生涯において、佐藤浩市に話しかけられて答えるなんてことが。しかもそれが2ターンあったっていう。
あとは覚えてるとこ、印象に残ったとこをちまちま書きます。「川向こうのラストデイ」は松田優作が作詞した曲で、「色々あって放送できない」らしい。私は初めて聴いた。今回初めて歌うという曲もあって、井上陽水「傘がない」。これよかったな。「愛の讃歌」もよかったです。これは確か3月のライブの最後に初披露した曲だったと思う。「川向こうの〜」もなんだけど、女性視点でいわゆる女言葉の曲を男性が歌うことによるよさ、ってあるよなあと思う。
これは毎回思うことだけど、ライブやってる時って浩市さんが楽しそうなので見ててこっちも楽しい。映画で役を演じてる時の佐藤浩市って大体かっこいいっていうかあんまし笑わないことが多い気がするので、屈託のない笑顔をみれると、嬉しい。
音楽堂はステージの後ろがガラス張りで、そこから空と森が見える。ライブの日は運よく快晴だったのでとても綺麗だった。今まで見た浩市さんのライブはライブハウスで行われるのが常だったので当然会場を暗くした上でライトをビカビカに当てる演出で、それもすごい好きなんだけど、(映画やドラマではまず見ない光の当たり方をするから)音楽堂ではほぼ自然光に近い中で歌ってるのを見られて、こういうのもいいなあと思った。ただこれだけ明るい中だと暗い歌詞のブルース歌ってもあんまり意味ないね?みたいなことを本人はMCで言ってた。まあそれはそう。
最後の方、時間が余っちゃったらしくてステージの上でメンバーと軽い打ち合わせが始まったのが一番面白かったかもしれない。そんなことあるんだ。
セトリはこんな感じ。終演後にホールに出たら直筆のが置いてあって、ロッジでもコピーしたやつを持ち帰れるようになってた。これ、誰が書いたんだろうな。祖母は「(佐藤浩市)本人じゃないの?」と言ってた。そうなのか?佐藤浩市がどんな字書くか知らないからわかりませんが…。
16時過ぎ、ライブ終了。しっかりポストカードも貰いロッジに戻る。
夕食まで時間があるのでちょっと散策しようやということになる。上述の「高原へいらっしゃい」で主人公が支配人を務める高原ホテル、という設定でロケに使われた建物があり、そこまで徒歩で向かう。基本的に車での移動が想定されているようで歩道はなかったが、まあ全然歩いても苦にはならない距離。
「別荘ゾーン」という、日常生活ではなかなか見ることのない言葉。
八ヶ岳高原ヒュッテ。おしゃれ。残念ながら開館時間を過ぎていたので中には入れなかった。森の中を散策しながらロッジに戻る道を見つけたので、帰りはそちらを歩く。
苔むした岩。ここの近くでイーブイをレベルアップさせるとリーフィアに進化しそうですね。
たぶんフキ。だけど北海道に生えてるのとは色合いも形も違う。
ねじれた木。ツイステッド・木。
夕食。全部おいしい。肉がやーらかかった。
夕食後も少しロッジの外を歩いてみる。
ドアノブも凝った作り。(写真は昼に撮ったもの)
夜は少し雲が出ていたが、雲の切れ間から見える星は綺麗だった。
灯りのついた夜のロッジも昼とはまた印象が違って見える。
ストーブが焚かれていた。
2023/7/18(火)長野→東京→北海道
朝。また結構な早くに起きる。朝食は洋食。卵料理のボリュームがかなりあって朝から満腹になる。
お土産を多少調達し、また送迎バスに乗って野辺山駅へ。
ありがとう八ヶ岳。楽しかった。またいつか来ます。
野辺山駅で列車を待つ。待つ間、駅前のお土産屋さんをふらついていると道沿いの喫茶店の前に黒猫が寝そべっていた。近づいても逃げない。試しに手を近づけてみると舐めてくれた。猫の舌はざらざらしていた。ところどころ白い毛が混じっていたので老猫だったんだろう。
野辺山駅。向かいのホームに渡るためには跨線橋ではなく、ホームから地面に降りて線路を横切る仕組み。
鉄道最高地点を示す柱。行く時には撮れなかったので帰りに狙って撮った。
野辺山から小淵沢へ。また特急あずさに乗る。少し時間があったので小淵沢駅の外観を眺めたりする。
構内にツバメが何羽かいた。
あずさ出発。新宿に着く。私と母はこのまま羽田空港に向かうが、祖母はまだ東京に用事があったのでここで別れる。
新宿駅を闊歩するハト。
ミストで涼むハト。
羽田空港から飛行機で新千歳空港へ。
機内から見えた富士山。かっこいい。
帰宅。荷解き。佐藤浩市の直筆(直筆!)サイン入りポストカードを夜中まで眺めてニコニコして過ごす。もし浩市さんが47都道府県ぜんぶで役者唄のライブやってくれたら私もそれを追いかけて日本全国を旅できるよなあ、などと馬鹿馬鹿しいことを考えつつ就寝。
おしまい。