『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』感想

f:id:Hadluca_san:20230608192315j:image

 

 

冒頭の露伴先生くそ怖くて笑った。視聴者は露伴先生の能力とか性格をある程度知ってるけど、あの古物商たちの視点だとマジの怪人だよな。怖いだろうな、いきなり現れて自分達の悪事についてガンガンねちねち詰めてくる人間。

奈々瀬役の女優さんすごい綺麗でドキドキしちゃった。過去編の雰囲気好きです。あれどこでロケしたんだろう。行ってみたい。

泉編集がモリスの絵の裏側に書かれたフランス語のタイトルをさらっと読んだの、めっちゃよくなかったですか?私はあそこがこの映画の中で一番と言ってもいいくらい好きです。泉編集という、決しておバカキャラじゃないけど知識を披露するタイプでもないキャラクターが人並み以上の知識も全然持ってるってことをさりげなく開示されるやつ、自分はそういうのに弱い。泉編集のことますます好きになってしまうよ。

ルーヴル美術館の映像が見れたの、シンプルに嬉しい。いうて実在する作品で出てきたのはモナリザサモトラケのニケくらい?あと金色の廊下?それでも十分すごいというか、邦画でもそんなことできるんだ、と思った。映画というか映像作品の魅力って、行ったことない場所や生まれてない時代の世界を見せてくれるところだと思います。

モナリザって普段からあんな仕切りとかこう、パーテーションみたいなのなんもない状態で展示されてるの?すごくない?人が殺到して大変なことになったりしないのかな。そんなことないのか。

露伴先生が自分にヘブンズドアーして記憶を消すやつ、顔の上半分だけ本になるのちょっとかっこよくてずるいなと思った。他の人は顔全面が本になるから目出し帽かぶったみたいになって毎回カッコ悪いなーと思っていたので、露伴先生だけ仮面ぽくてほんのりかっこいいのずるい。意識を保った状態でヘブンズドアーするにはあれが最適だったのかな。

「人の手に負える美術館じゃあない。そんな気がするよ」
予告でもさんざん聞いたけどやっぱいいなこのセリフ。メインの怪異は黒い絵だけど、露伴先生がこれをつぶやくことで、曇り空を背にしたルーヴルそのものにもある種の不気味さが滲み出てくるようで好きです。泉編集のセリフには笑ったけどね。ある意味で最強のキャラ、泉京香。

ここでスタッフロール入っても良かったんじゃないかなーと個人的には思う。

江戸時代編、蛇足じゃないですか?なげ〜〜〜〜〜〜〜wって内心爆笑しながら見ていた。高橋一生の月代と総髪と乱髪が見れたのは嬉しかったですけど。あと黒い樹液にまみれて妻の遺体と共に死ぬ仁左衛門、あれは迫力があって良かった。それはそれとして、なげ〜〜〜〜〜〜〜。

そんなに…そんなに説明しなくていいよ。地下室の場面でなんとなくの経緯は推察できるし。何かがあって250年経っても消えない負の感情が仁左衛門に生まれて怪異になっちゃったんですね、奈々瀬も現代に生きる人間ではなく仁左衛門および絵と関係した存在だったんですね、ということはうっすら分かるじゃん。そしてルーヴルで仁左衛門の絵も呪いも奈々瀬もみんな燃えて消えた、という結果は映画の中で提示された。それだけで十分だったような気はする。
ホラーにおける怪異の成り立ちに全く興味がないので、江戸時代編でまさにその、奈々瀬と仁左衛門と黒い絵がどうしてそうなったのか、というのを細かく説明されても、ふーんそうですか、かわいそうですね、以上の感情が出てこなかった。
てかあそこまで説明するなら、黒い絵が絡む場面で蜘蛛が出てくる理由も教えてほしかったな。なんで他の虫とかじゃなくて蜘蛛だったんだろう。

あと仁左衛門露伴先生と同じ顔なので、あーそこが先祖なのかな、と思ってたら奈々瀬の実家の姓が岸辺って設定も出てきて、え?どういうこと?と脳内にクエスチョンマークが浮かびまくってしまった。露伴先生は結局どっちの家とつながりがあるんだ。奈々瀬と仁左衛門の間に子供ができた描写あったっけ?なかったよな確か。直接の子孫ではないけどうっすらと縁はあるみたいな感じ?ここらへんよくわかんなかった。どっか自分が聞き逃したか間違って記憶してる部分があるのかも。

こんなもんですかね。全体的にはとても面白かったです。ドラマ版でいうと2話ぶんくらいの尺なのにあまりそれを感じさせない作りだったのもよかった。原作ストックがあとどれくらいあるのかは知らないけど、またドラマも作って欲しいですね。